第6回定例会(令和8年6月)は、23日間の会期を終えて、6月26日に閉会しました。
議案第46号「朝来市史跡生野銀山条例」は賛成多数で可決
今定例会で最も大きな論点となったのは、議案第46号「朝来市史跡生野銀山条例の制定について」です。この条例は、史跡生野銀山を朝来市の公の施設として位置づけ、観光坑道、鉱山資料館、吹屋資料館、鉱物館、売店、入場券売場、トイレ、休憩所、駐車場などを施設として定め、今後の管理運営の基本的な枠組みを整えるものです。
採決の結果、議案第46号は賛成多数で可決されました。
朝来市創生の会所属議員の対応
朝来市創生の会では、議案第46号について、所属議員それぞれが内容を精査し、討論に臨みました。
森下議員、松井議員は反対の立場から討論を行いました。反対の主な理由は、生野銀山の歴史的・文化的価値を認めつつも、老朽化した施設を市が引き受けることによる将来の財政負担、坑道や施設の安全管理、情報提供と意思決定過程、市民的議論の不足などに対する懸念です。無償譲渡であっても、将来の修繕費や管理費を含めれば市民負担は小さくなく、より慎重な検討が必要であるとの立場を示しました。
一方、藤原議員は賛成の立場から討論を行いました。賛成討論では、反対意見に含まれる財政負担、安全管理、情報提供、市民理解などの懸念は重く受け止めるべきであるとした上で、民間承継が模索された後の最後の受け皿として、公的に承継する必要性を述べました。生野銀山は、朝来市の歴史、地域の記憶、近代化産業遺産として他に代え難い存在であり、観光事業の断絶や地域資源の喪失を避けるため、まずは公の施設としての設置根拠と管理運営の枠組みを整えるべきであるとの判断です。
このように、会派内でも意見は分かれましたが、共通しているのは、生野銀山の価値そのものを否定するものではなく、これを将来にわたってどのように守り、活かし、市民負担をどのように抑えていくのかを真剣に考える必要があるという点です。
条例は可決されましたので、今後は、指定管理者の選定、指定管理協定の内容、安全管理体制、中長期の修繕計画、財源措置、市民への説明責任が重要になります。朝来市創生の会としても、引き続き議会の立場から厳しく確認し、必要な提案を行ってまいります。
その他の議案は全会一致で可決
議案第46号以外の議案については、いずれも全会一致で可決されました。
主な内容として、朝来市自然環境保全センター条例の制定、朝来市税条例の一部改正、朝来市キャンプ場条例の一部改正、令和8年度一般会計補正予算、国民健康保険税条例の一部改正、福祉医療費助成条例の一部改正などがありました。
一般会計補正予算では、ケーブルテレビ朝来局舎の空調設備更新、自然環境保全センターの施設運営、中東情勢を踏まえた原油・原材料価格高騰等への中小企業支援、生野銀山の指定管理者選定に係る経費などが盛り込まれました。
また、物価高騰対策として、水道料金の基本料金を3か月分免除するための補正予算も可決されました。市民生活や事業者支援に直結する内容であり、確実かつ円滑な実施が求められます。
請願の審査結果
請願については、刑事訴訟法の再審規定の改正を国に求める意見書の提出を求める請願は、賛成少数で不採択となりました。再審制度の見直しは重要な課題ですが、国会で審議が進められている中で、地方議会としてどこまで具体的な制度内容に踏み込んだ意見書を提出するかが論点となりました。
一方、「子どものゆたかな学びと育ちを保証するための2027年度政府予算に係る意見書採択の請願」については、全会一致で採択されました。子どもたちの教育環境を充実させ、学びと育ちを支えるため、国に対して必要な予算措置を求めるものです。
今後に向けて
6月定例会では、生野銀山の将来をめぐる大きな判断が行われました。可決された以上、これからは「どう引き継ぐか」「どう守るか」「どう活かすか」が問われます。
朝来市創生の会は、歴史・文化資源の継承、地域振興、財政規律、市民への説明責任を大切にしながら、今後の市政をしっかりとチェックし、建設的な提案を続けてまいります。
