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コラム

行政の理想と現実

 静岡県知事の新入職員を前にしての不適切な訓示が問題となり、辞任へと発展した。この事自体は当然のことと考えるが、実は私は、かつて一般質問で川勝知事の静岡県政での手法を取り上げ、朝来市でも採用すべきと申しあげたことがある。それは、「業務の棚卸し」と呼ばれていた手法で、膨大な業務を定期的に精査し改善するもので、極めて合理的で優れた手法である。これを私が言ったからとは思っていないが、我が市では現在、「業務マネジメントシート」により、担当課自ら予算の執行管理を行っている(最近ほとんど機能していないが)。

 それはともかく、発言は明らかな差別発言で容認できないが、冒頭部分の「行政職員はシンクタンクたれ」と言われたことはその通りと思う。役所には膨大な情報が集まる。それを分析し、その中から新たな政策を導き出すことが行政職員の仕事である。どんな仕事でも「問題にして解決する」人材が求められている。

 最近の川勝知事に関する報道を見るにつけ、元大学教授で有能な方が何故このようなことになるのか不思議である。県民に人気が有り、長く知事という立場にいると見えなくなるものがあると言うことか。「権腐(不)十年」は、細川護煕元熊本県知事(後に総理大臣)が知事を辞職された時に述べられた格言であるが、正に権力は魔物と言うことか。