行政視察報告6

調査視察日:令和6年1月17日~18日

本市の政策の立案に参考とすべき先進事例を学ぶため、各分野で先進的取組をされている自治体を視察し、政策についての聞取りと意見交換を行いました。

1.「環境と経済を両立したエコなまちづくり」について
和歌山県有田川町
環境衛生課

会派意見まとめ

 このまちづくりは、環境センターの処理能力の限界を考え、ごみの総量削減を迫られたことに起因しています。町は、検討の結果、ごみの徹底分別による資源ごみのリサイクル化と、ごみ集積場のステーション化に踏み切りました。

 自治会単位で設置されたごみステーションは各自治会が管理しており、このことが住民の分別意識の向上に役立っています。住民の徹底したごみ分別は、ごみを良質の資源に変え、ごみ収集運搬業務の経費削減にも繋がっています。一方で、ごみステーションの所在が町の中心部に偏りがちで、住居がごみステーションから遠い住民、特に高齢者の利用に不便が生じており、その解決が課題となっています。

 環境センターの処理能力に係るごみの総量削減の取組が、住民の意識向上と協力を得て有効に機能する仕組に繋がった点は非常に評価できる。総じて、環境と経済の両面で効果を上げている一方で、高齢者等への配慮が今後の課題として浮かび上がっているが、この課題に取り組むことで、さらに住みやすい持続可能なまちづくりが実現することが期待できる。

 ごみ処理は、住民と行政が一体となって取り組むべきまちづくりの一環であることがよく分かります。地域社会の問題を解決し、住民の生活環境を向上させるためには、双方の協力が不可欠であり、その過程自体が持続可能なまちづくりを進める重要な一歩となると理解しました。

2.「BIG SMILEプロジェクト(市民の健康づくり支援-都市公園整備)」について
和歌山県有田市
有田市教育委員会事務局

会派意見まとめ

 建設中の和歌山県有田市健康スポーツ公園「BIG SMILE PARK」を視察しました。この公園は、市民の健康増進とコミュニティ形成を促すために、公園や運動施設を整備し、さまざまなスポーツやレクリエーションの機会を提供するという、有意義な目的を持った運動型健康増進施設整備事業「BIG SMILEプロジェクト」によるもので、多目的の人工芝グラウンドや大型遊具施設があるほか、スポーツを通じて市民の健康的な生活を増進する健康遊具ルートなどが整備されています。また、防災公園としての役割も担っており、災害対応トイレやソーラー照明等を備え、主に災害復旧の拠点として活用されます。

 本市が屋根付運動施設の建設を計画することは、意義のある取り組みだと考えます。市民が身近にスポーツに親しむことは、健康増進に大きく寄与します。その際、競技性を重視することよりも、市民一人ひとりの健康を優先することで、より多くの人々がスポーツを楽しむきっかけになり、結果として地域全体の健康レベルの向上につながると考えます。特に、日常生活で運動不足を感じている方々にとって、アクセスしやすく、気軽に利用できる施設は大きな魅力となります。それが、屋根付きであれば天候に左右されず、一年中快適にスポーツを楽しむことができます。

 市民の健康づくりを優先する施策として、子どもから高齢者まで、幅広い年齢層が利用できるような設計とし、多様なニーズに応え、スポーツを通じて地域住民が交流できる場を提供することを目的とする、市民の健康づくりを中心にした施策推進が、朝来市にとっても非常に有意義な方向性だと言えるでしょう。市民の健康と幸福を考えた施策は、長期的に見ても地域社会にとって大きな財産となります。